環境未来都市 北海道下川町 下川の森

町と森と 木の一生 - 持続可能な森林経営とは -

森をそだてる

森林整備の取り組み

豊かな森を育むためには、気が遠くなるほどの長い年月がかかります。森づくりの作業には「地ごしらえ」「植え付け」「下草刈り」「枝打ち」「伐採」などがあり、人の手による作業と管理が必要です。

また、森林には地球温暖化の原因の一つとなるCO2を吸収・固定する機能のほか、土砂災害の防止や河川の水質浄化、生態系の保全といった多様な機能があります。このような森が持つ役割・機能を正しく理解し、豊かな森を育むよう努力しなければなりません。

現在の下川の森が美しく保たれているのは、これらの作業を毎年繰り返し続けてきたからなのです。

森づくりの作業

【地ごしらえ】

木を植える前に、土地の整備を行います。山は畑と違って傾斜があり、笹や雑草、倒木や切り株などの障害物もたくさんあります。苗木を植える時は、まずそれらの刈り取りや除去作業が必要です。地ごしらえにより、苗木が太陽の光を十分に浴びる環境が整い、あとの作業効率が上がり、害虫や野ネズミの被害を防ぐことがでます。

【植え付け】

地ごしらえした土地に、クワで穴を掘り、苗木を一本ずつ植えます。植え付けの時期は、木が成長を始める前の春か、成長が止まった秋に行われます。どのような木を植えるかは、標高や地形、土壌の種類等の条件により異なります。また、時代によって必要とされる木材の種類も変わります。下川町では時代の流れを読みながら、カラマツ、トドマツ、アカエゾマツなどが植えられてきました。

【下草刈り】

夏の間、森の木々は強い日差しを受けて勢いよく成長します。ところが、背を伸ばすのは苗木ばかりではありません。周りの草が苗木を覆い隠してしまうと、日が当たらなくなってしまうだけでなく、草に埋もれて蒸れてしまい、場合によっては枯れてしまうこともあります。それを防ぐために、周りの草を刈り払う作業を下草刈りといいます。

【枝打ち】

不要な木の枝を付け根付近で切り落とす作業を枝打ちといいます。枝打ちすることで、節のない良質な木材を生産することができます。その他に、つる植物が木に絡み付いて成長を妨げないように取り除く「つる切り」という作業もあります。

【伐採】

育った木を切り倒します。
伐採は、目的によって「主伐」「間伐」「除伐」に分かれます。

主伐 求める大きさまで育った木を切り出します。跡地には再び木を植えて次のサイクルがはじまります。
間伐 込み合った木々を切り出して間引く作業です。間伐により、育成される木は日の光を十分に浴びて大きく健全に成長できるほか、地面まで届く光によって下草も育ち、土壌の流出を防ぎます。 間伐された木は、製材や木炭などに加工され有効活用されます。
除伐 育てたい木の成長を妨げる侵入木や、曲がったり折れたりした木を除去する作業です。

伐採を行うときには、木の重心や周囲の木の枝の張り具合、地形や風の状況など、様々なことに注意を払います。毎回異なる条件のなかで安全に作業を行うためには高度な技術が必要です。

森が豊かになると環境も豊かになります。作業を通じて環境へも働きかけができることは、この仕事の一番いいところ!
下川町森林組合 田邊大輔さん

人手のかかる森の仕事

明治時代は、オノ、ノコギリなどの手道具で木を倒し、人力あるいは馬を使って山から運び出し、森林鉄道で製材工場などに運搬していました。昭和の時代になると除々に機械化が進み、ノコギリはチェーンソーに、馬はブルドーザーに、鉄道輸送は道路でのトラック輸送に代わっていきます。

現在は、作業技術の向上により、チェーンソーで木を倒して枝を払い、ブルドーザーで林道の近くまで集めて、決められた長さに切断した後、工場に運ばれるようになりました。

このように、森林整備は時代とともに機械化・効率化が進められました。しかしながら依然として人力に頼るところが大きいのも森の仕事の特徴です。技術や道具が進化しても、人の手によって手間ひまかけて豊かな森が育まれていくことに変わりはありません。

森づくりの担い手 森林組合

下川町森林組合

森の整備と管理を中心的に担っているのが下川町森林組合です。
下川町森林組合は、循環型森林経営の根本をなす森林の管理から、集成材の加工事業、木炭・円柱材・小径木加工事業まで、ゼロエミッションの取り組みを実践する先駆的な組合です。季節雇用の多い林業界において冬場の仕事を確保し、通年雇用も実施しています。
また、国際的な森林認証であるFSC®森林認証の加工者に与えられるCoC認証を取得しております。

下川町森林組合では、優秀な人材を確保するための人材登録制度「人材エントリー(外部リンク)」を行っています。登録者は日本全国から集まり、職員約70名のうち半数がUターン・Iターンで町外から移り住んだ方々です。チェーンソーアートの世界選手権優勝者など、豊かな経験をもつ人材も活躍しています。

【外部リンク】 下川町森林組合

技術を身に付ければ付けるほど、いろいろなことに対応できるようになります。自分の技術と経験をそのまま活かしながら森をデザインできます。
下川町森林組合 児玉光さん
(チェーンソーアート 国際大会優勝者)